ドーベルマンの周りには、名前や見た目が似てる犬種が何匹かいる。中でもよく話に出るのが、ミニチュアピンシャーとグレートデーンだ。「毛色とか顔つきが似てるから、ドーベルマンを小さくしたり大きくしたりしただけの犬でしょ?」と思ってる人は意外と多い。
結論から言うと、どっちも別物だ。しかもミニチュアピンシャーに関しては、話がむしろ逆になる。

ミニチュアピンシャーは、ドーベルマンより先に生まれてる
ドーベルマンが生まれたのは1870年代。ドイツ・アポルダの徴税人だったカール・ドーベルマンが、護衛犬として作り上げた犬種だ(アポルダの話は前に別記事で書いた)。
一方でミニチュアピンシャーのルーツは、資料によっては1600年代までさかのぼると言われている。ジャーマン・ピンシャーという犬種に、ダックスフンドやイタリアン・グレーハウンドを掛け合わせて作られたとされていて、元々は家や馬小屋のネズミを狩るための犬だった。アメリカンケネルクラブ(AKC)の解説でも、この起源がまとめられている。
つまり時系列で言うと、ミニチュアピンシャーの方が100年以上先輩だ。「ドーベルマンを小さくした犬」どころか、ドーベルマンが生まれる前から、もう似た見た目の犬がドイツにいたことになる。
じゃあ何で似てるのかというと、両方とも「ジャーマン・ピンシャー」という共通のご先祖様を持ってるからだ。血筋で言えば遠い親戚くらいの関係で、直接の親子でも兄弟でもない。海外の専門サイトでも、この2犬種は「関連があるとは考えられていない」とはっきり書かれている。

大きさは全然違う。ミニチュアピンシャーは体高25〜30cm・体重4〜6kgの小型犬。ベルと同じ大型犬の枠にいるドーベルマンは体高60cm台後半〜70cm台、体重は30〜40kg超え。同じ部屋に並べたら、大人と未就学児くらいの差がある。
性格の方向性も別々だ。ミニチュアピンシャーは独立心が強くて頑固、よく吠える傾向があると言われる。ドーベルマンは主人への忠誠心が強くて、比較的しつけが入りやすいタイプとされる。血筋は近くても、求められた仕事が「ネズミ捕り」と「護衛」で違ったから、性格の方向性もそれぞれに寄っていったんだと思う。
グレートデーンは、そもそも家系が違う
グレートデーンとドーベルマンも、細身で足が長くて、遠目だとシルエットが似て見えることがある。でもこっちは血筋で言うともっと遠い。

グレートデーンもドイツ生まれという共通点はあるものの、ジャーマン・ピンシャー系ではなく、イノシシ狩りのために作られたマスティフ系(大型の闘犬・狩猟犬の家系)の犬種だ。体重は数十kg単位でドーベルマンを超えることもある超大型犬で、性格も「穏やかな巨人」と呼ばれるタイプが多い。ドーベルマンの方が警戒心・防衛本能が強く出やすいのとは、方向性がわりと違う。
見た目が似てるからこそ、ちゃんと知っておきたい
同じ「ドイツ生まれ」「引き締まった体」でくくられがちだけど、実際は生まれた時代も、求められた役割も、性格の方向性も別々だ。ベルを見て「ミニピンの親戚?」って言われることがあったら、「いや、あっちの方が先輩なんだよ」って返せるくらいには覚えておいて損はない話だと思う。


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