犬がリーダーには見せない態度、格下の犬にだけ見せる仕草ベスト5

しつけ
2026.08.06|4 MIN READ|DOBERMANN / RANK SIGNALS

うちの犬、こんな行動で困ったことはないだろうか。呼んでも来ない、叱ってもふてぶてしく見返してくる、ご飯中に近づくと唸る、ソファを陣取って譲らない。「うちの子はこういう性格だから」で片付けてしまいがちだけど、実はこれ、しつけの失敗というより、犬が飼い主のことを「格上」だと思っていない証拠かもしれない。

海外の研究で分かってきた、犬同士の「上下関係」を示す仕草と、それが人間との暮らしの中でどんな「困った行動」として出てくるのかをまとめてみた。前回の記事で紹介した「犬に主従関係は必要か」の話の、もう少し具体的なバージョンだと思ってもらえればいい。

その1: 呼んでも来ない、堂々と無視される

犬同士の世界では、格上の犬は堂々とした姿勢を崩さない。頭を高く上げて、背筋を伸ばして、ちょっとやそっとじゃ動じない。逆に格下の犬は、格上の犬の前では自然と姿勢を低くする。これはオランダの研究チームが群れで暮らす犬たちを観察した調査でも、一番はっきり確認された上下関係のサインだった。

うちの犬が名前を呼んでも知らんぷりで、堂々と寝そべったまま動かない。そういう時、単に耳が悪いとか、性格がマイペースとかじゃなく、飼い主のことを「格上」だと認識してない可能性がある。

対策としては、犬を呼んだり注意したりする時に、わざわざしゃがんで目線を合わせにいかない方がいい。背筋を伸ばした姿勢のまま声をかける方が、犬にとっては「格上からの合図」として伝わりやすいと言われている。

その2: 叱ってもじっと見返してくる

犬の世界では、格下の犬は格上の犬から自然と視線を逸らす。犬同士では、じっと見つめ返すこと自体が「対抗してる」というサインになってしまうからだ。

もし叱ってる時に、犬が目を逸らさずにじっと見返してくるなら、それは反省してるんじゃなくて、対等かそれ以上のつもりでいる可能性がある。飼い主からすると「ふてぶてしい」と感じる態度は、犬からすると案外、自然な振る舞いなのかもしれない。

だからといって、飼い主が先に根負けして視線を逸らしてしまうと、それはそれで「折れた」というサインになりかねない。叱る場面では、感情的に怒鳴るより、視線を保ったまま淡々と伝える方が、犬には効くと思ってる。

その3: 玄関やドアで先に出ようとする、道を譲らない

格下の犬は、格上の犬の前でわざわざ体を縮めて、道を譲るように動く。逆に格上の犬は、自分が先に、堂々と通る。

玄関やドア、狭い通路で、犬が飼い主を押しのけるように先へ出ようとするのは、この延長線上にある行動と考えられる。「元気があるだけ」で片付けられがちだけど、実は立場の主張が混ざっているのかもしれない。

対策はシンプルで、玄関やドアでは必ず人が先に通ることを徹底するだけでいい。犬に「待て」をさせてから、飼い主が先に通り終わって、それから犬に「よし」と合図を出す。この小さな習慣を積み重ねるだけでも、少しずつ変わってくる。

その4: ご飯を食べている時に近づくと唸る・噛む

犬の上下関係を専門的に調べた別の研究(PeerJ掲載)では、地位の高い犬ほど、食料や休む場所を優先的に確保する傾向があると報告されている。群れの中では、地位の高い犬から先に食べるのが自然な順番になっているということだ。

もし犬がご飯を食べている最中に、飼い主が近づいただけで唸ったり噛んだりするなら、それは意地悪をしているわけではなく、「自分が優先されるべきだ」という認識のズレから来ている可能性がある。

改善するなら、いきなりお皿に手を伸ばすんじゃなく、まずは食事の前に「お座り」「待て」をさせて、飼い主の合図で食べ始めさせるところから始めるといい。食べ始めるタイミングを飼い主がコントロールするだけでも、優先順位の感覚は変わってくるはずだ。

その5: ソファやベッドを陣取って譲らない

同じ研究で、地位の高い犬は休む場所についても優先権を持つとされている。ソファや飼い主のベッドのような、居心地の良い場所を陣取って、どかそうとすると唸る。

これも「自分が一番良い場所を使う権利がある」と思っている行動として説明できる。可愛くて許してしまいがちだけど、積み重なると、他の困った行動ともつながっていく。

改善するなら、まずは「どいて」を教えて、自分から降りたらしっかり褒める、というところから始めるといい。無理やり引きずり下ろすんじゃなく、自分の意思で場所を譲る経験を積ませることが大事だと思ってる。

ちなみに同じ研究では、地位の高い犬ほど、他の犬のおしっこの上に自分のマーキングを重ねる行動も多く見られたと報告されている。散歩中、電柱や壁のにおいを執拗に嗅いでは、その上に何度もマーキングしたがる。あれも、単なる習性というより、こういう感覚の延長にあるのかもしれない。

これ、しつけじゃなくて「関係」の話だと思う

よくライブ配信をしていると、「うちの犬が全然言うこと聞いてくれないんです」っていう相談を飼い主さんから受けることがある。話を聞いてみると、だいたい上で挙げたような行動に、いくつも心当たりがあるケースが多い。

犬は言葉で説明されなくても、こういう日々の積み重ねで「この人は頼れる存在かどうか」を判断している。主従関係ができていないと、そのズレがこういう困った行動になって表れるんじゃないかと、俺は思ってる。

逆に言えば、特別なしつけ教室に通わなくても、呼び方・視線・通り道・食事・寝床という、日々のちょっとした場面での態度を意識するだけで、関係は少しずつ変わっていくはずだ。一気に全部を変えようとせず、まずは一つだけ試してみるくらいでちょうどいいと思ってる。

ベルとの日常はYouTube「狂犬の正体」でも発信中。よかったらチャンネルものぞいてみてください。
kyokench.com

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