俺のチャンネルを見てくれてる人なら知ってると思うけど、前にドーベルマン発祥の地・アポルダに行ってきた話を書いた。あの時から、ずっと気になってることがあった。「ドイツを見習え」ってよく言われるけど、実際どういうことなんだ、と。
今回、ちょうどドイツのティアハイム(動物保護施設)でボランティアをしてる日本人の女性と話す機会があったから、色々聞いてみた。1年の留学でドイツに来てるっていう人で、実際に現地で犬の世話をしてる立場から見た「日本との違い」を教えてもらった。
週末は「公園に行く」が当たり前
まず驚いたのが、休日の過ごし方の違い。ドイツの人たちって、週末になるとみんな公園に行くらしい。それも東京の小さい公園じゃなくて、サッカー場や野球場ぐらいの広さがある公園がゴロゴロあるって話だった。お金を使わない遊びを好む文化もあって、家族で自然の中で過ごすのが普通なんだと。
日本だと、犬を「外に連れ出す」って言っても、朝と夜に15分ずつみたいな感覚が多い。生活の中に犬と一緒に行動する習慣自体があんまりない。会社にも連れて行けないし、広場で犬を放したら周りに嫌がられる。

一方向こうは、犬を連れて公園に行くのが日常。「犬が犬らしく生きてる」って、話を聞いてて素直にそう思った。ベルも庭付きの家だから恵まれてる方だと思うけど、それでも「毎日どこかの公園に連れて行く」っていう発想自体、日本だとなかなか根付いてない。
犬税で糞尿処理、ハーネスが基本
制度面でも違いがあって、ドイツには「犬税(Hundesteuer)」っていう仕組みがある。犬を飼ってる家庭が税金を払って、その一部が街の清掃、つまり犬の落とし物の処理みたいな仕事に使われてるらしい。実際、道端に落ちてる犬の落とし物を業者が回収してるって話だった。19世紀の狂犬病対策として始まった制度らしいけど、今も続いてる。
首輪じゃなくてハーネスが基本、っていうのも印象的だった。「首は使わない」って言ってて、大型犬でもちゃんとしつけが入ってる子はほとんどハーネスなんだと。日本でもハーネスを使う飼い主は増えてきているが、首輪を使う飼い主も多い。俺も首輪派だ。

しつけ教室(ドッグスクール)も日本よりだいぶ安いらしくて、犬だけじゃなく飼い主とセットで通うのが普通。「フェアアイン」っていう、しつけサークルみたいなコミュニティもあって、人同士の交流を通じて情報が回っていく仕組みがある。日本だと「うちはうちでやる」で完結しがちだけど、向こうは相談し合える場所が最初から用意されてる、という違いは大きいと思う。
「厳しすぎる」現実もある
ここまで聞くと「やっぱりドイツはすごいな」って思うだろうけど、話はそんなに単純じゃなかった。
ティアハイムから犬をもらうのは、めちゃくちゃハードルが高いらしい。収入、家庭環境、家の広さまで細かく審査されて、その後トライアル期間がある。「初心者は絶対お勧めできません」って書かれてる犬もいるくらい、譲渡の基準が厳しい。

で、ここが面白いところなんだけど、審査が厳しすぎて心が折れた人がブリーダーに流れることも普通にあるらしい。「ティアハイムからもらおうと思ったけど諦めてブリーダーから買った」っていうケースは全然あると。厳しくすればするほどいいわけでもない、っていう現実がある。
もう一つ意外だったのが、ティアハイムにいる大型犬の多くは、実は普段あんまり散歩に行けてないってこと。気性が荒い子や凶暴な子は、庭に出して発散させるだけで終わることが多いらしい。庭はサッカー場並みに広いって言ってたけど、それでも「散歩」とは違う。人に慣れてない犬は、無理に人間の生活に馴染ませようとせず「野犬として安全に育てる」っていう考え方もあるみたいで、これは日本の感覚とはだいぶ違うなと思った。
「動物福祉が進んだ国」の歴史も一枚岩じゃない
動物福祉っていう考え方自体、最初にちゃんとした形で始めたのはイギリスらしい。1824年に設立されたRSPCAが、世界で最初の動物福祉団体だと言われてる。そこにはキリスト教的な価値観も関係してるんじゃないか、っていう話も出た。
ドイツがここまで動物福祉に力を入れるようになった背景には、宗教観や歴史、社会の雰囲気が複雑に絡み合ってるらしくて、「これが理由です」って一言では説明できないという話だった。「日本人はドイツのことをそこまで分かってないのに、なんでも『先進国のドイツを見習え』って言いがちだけど、それを言ってる本人がちゃんと分かってないことも多い」っていう指摘は、正直グサッときた。歴史を真似ることも、宗教を真似ることもできない。ドイツをそのまま輸入すればいいって話じゃないんだと思う。
それでも、知っておく価値はある
犬税、ハーネス文化、飼い主同士が学び合うしつけ教室。制度や習慣として日本に持ってこれそうな部分もあれば、「そもそも住宅事情も公園の広さも違うんだから無理だろ」っていう部分もある。ティアハイムの審査の厳しさみたいに、「厳しければ厳しいほど良い」わけでもない、という副作用も含めて聞けたのは良かった。
ドイツが完璧な犬大国というより、良い部分も悪い部分も抱えながら、それでも犬と暮らす環境を真剣に考え続けてる国、っていうのが今回話を聞いた実感。うちも、ベルと一緒に「じゃあ日本でどうするのがいいか」を、一つずつ考えていきたいと思う。
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普段のベルの動画はkyokench.comのトップページから。YouTubeチャンネル「狂犬の正体」もよかったらのぞいてみてください。


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