先日、スレッズで「小型犬の飼い主さんは大型犬の飼い主に、大型犬の飼い主さんは小型犬とのすれ違いに、それぞれどう思っているか」を聞いてみた。いつもの投稿よりも複数のコメントがついた。それだけ、みんな本当は言いたいことがあったんだと思う。
コメントで見えた「温度差」
集まったコメントで一番印象的だったのは、小型犬の飼い主さんからの謝罪の多さだった。「いつも吠えてすみません」「大きい子に気を使わせて申し訳ない」「抱きかかえてその場を去ります」。こういう言葉が、数え切れないほど並んでいた。
一方で大型犬の飼い主さんの多くは「小型犬が吠えても気にならない」「うちが気にしていなければ、うちの子も気にしない」と、かなりおおらかに受け止めていた。謝ってばかりの小型犬側と、意外と鷹揚な大型犬側。この温度差自体が、今回一番の発見だった。
そして一番多かったのは「結局は犬の大きさじゃなく、飼い主の躾やマナーの問題」という冷静な意見だった。これが、正直かなり的を射ていた。
なぜこの差が生まれるのか、調べてみた
「小型犬は大型犬より頭が悪いから吠えたり噛んだりする」という言い方をネットで見かけることがある。海外の研究を調べてみたら、新しい角度の研究結果だったことに気がついた。
ペンシルベニア大学のDuffyとSerpellが、30犬種以上・数千頭分のデータを使って行った研究によると、ダックスフントのような小型犬種は、見知らぬ人・他の犬・自分の飼い主に対する攻撃性のスコアが、ゴールデンレトリバーのような大型犬種よりはっきり高い。ただしこれは知能を測った調査ではなく、攻撃性や警戒心の強さを測ったものだ。
じゃあなぜそうなるのか。別の研究が核心を突いている。小型犬は大型犬に比べて正式なしつけ訓練を受ける機会が明らかに少なく、飼い主自身も「うちの子は言うことを聞かない」と評価している割合が圧倒的に高かったのだ。大型犬が言うことを聞かなければ危険だから飼い主は必死に躾けるが、小型犬なら多少やんちゃでも力ずくで何とかなってしまう。犬のサイズの問題じゃなく、飼い主の意識の差だったということだ。
ドイツでは、こうしたすれ違いが起きにくい
この話で思い出したのが、ドイツの制度だ。ニーダーザクセン州では2013年から、初めて犬を飼う人全員に適性証明(Sachkundenachweis)の取得が義務化されている。他の州でも、体重や体高が一定以上の犬、危険犬種に指定された犬には理論・実技の試験が課される。全州一律ではないが、「小さい犬だから訓練しなくていい」という空気は薄い。実際に俺がベルリンへ行った時、大型犬も小型犬もノーリードで飼い主の後をトコトコついてきたり、スーパーマーケットの前にノーリードの状態でで飼い主を待っていたりと、日本の犬と飼い主とはレベルそのものが違った。
体格差の代償は、対等じゃない
今回のコメントの中には、元は超大型犬の飼い主で、今はチワワを飼っているという方からの重みのある指摘もあった。大型犬が本気で一噛み・一パンチしてしまえば、小型犬は命を落としかねない、という話だ。
これは実際、海外の獣医師が書いているブログでも裏付けが取れた。同じような攻撃的な行動を見せた場合でも、体の大きい犬の方が安楽死という判断に至りやすいという現実がある。同じ強さの噛みつきでも、大型犬の方が与えるダメージが大きいからだ。大型犬にとっては「うちの子は悪くない」だけでは済まない場面が、構造的に多い。
大型犬の飼い主として、実際にやっていること
この投稿をきっかけに、すれ違う時に無意識にやっていたことを言葉にしてみる。
- 相手の犬が苦手そうだと感じたら、先にこちらから距離を取る
- リードは短めに持ち、いつでも止められる状態を保つ
- 挨拶させたい気持ちがあっても、相手が避けているならこちらから近づかない
特別なことは何もしていないけど、こういう小さな配慮の積み重ねが、コメントで見た「ありがたい」という声につながっているんだと思う。
まとめ
小型犬は頭が悪いわけじゃない。訓練される機会が少なく、体が小さいから許されてしまいやすいだけだ。そして大型犬は、同じ失敗をしても代償が重い。結局、大きさの違いじゃなく、それぞれの立場でどれだけ意識して向き合うかの違いなんだと思う。
元のスレッズの投稿はこちらから読める。まだまだ本音のコメントが並んでいるので、興味があればぜひ。
ベルとの日常はYouTube「狂犬の正体」でも発信中。よかったらチャンネルものぞいてみてください。
kyokench.com


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