JALが「雑種犬はもう乗せません」って発表してた話、整理しておく

コラム
2026.08.21|6 MIN READ

DOBERMANN / THE MIXED BREED FLIGHT BAN

最近スレッズを見てたら、犬関連の話題で「JALが雑種犬を飛行機に乗せなくなる」っていうのが流れてきた。正直、最初は「え、そんなことある?」と思って調べた。うちはベルがドーベルマンの純血種だから、この話で直接困る立場じゃない。でも調べてみたら、結構ちゃんとした発表で、しかも賛否が割れそうな話だったので、事実だけ一回整理しておく。

JALが実際に発表したこと

JALは2026年7月16日、国内貨物として運ぶ犬・猫の輸送ルールを変更すると発表した。適用は2026年9月1日出発分から。

今回の変更の中で一番大きいのが、雑種犬(ミックス犬)は年間を通して原則預けられなくなるという点。理由としてJALが挙げているのは、見た目だけでは犬種を正確に判別できず、輸送リスクの高い短頭犬種の血が混ざっている可能性を排除できないから、というもの。

あわせて、夏の間は犬猫の種類を問わず、原則として輸送を受け付けなくなる。制限期間は2026年度が9月1日から10月31日、2027年度以降は5月1日から10月31日に広がる。熱によるダメージを減らして、安全基準を上げるための変更、という位置づけらしい。

ちなみにブルドッグとフレンチブルドッグの純血種は、もともと年間を通して預けられない扱いだった。今回はそこに、雑種全体が新しく加わった形になる。

なぜ「短頭種の血」がそんなに問題視されるのか

短頭種っていうのは、パグやフレンチブルドッグ、狆みたいに鼻の骨が短い犬種のこと。鼻が短いぶん気道も狭くて、普段の生活でも呼吸が苦しくなりやすい。これは獣医の間でもよく知られてる話。

貨物室は与圧も空調もされてるとはいえ、地上での待機時間の熱や、気圧の変化、慣れない環境のストレスが重なると、この犬種は他の犬より体への負担が大きい。実際、海外の航空会社でも短頭種の貨物輸送中の事故は過去に何度も報告されてきた犬種でもある。だから短頭種そのものを年間通して断ってる航空会社は、JALに限らず元々多い。

問題は、雑種は見た目だけじゃ「短頭種の血が入ってるかどうか」を100%否定できない、ってところ。柴犬っぽい顔をしてても、祖父母のどこかに短頭種が混ざってる可能性はゼロにはできない。JALはそこを「排除できないリスク」として扱って、雑種全体を一律で断る判断をした、ということみたいだ。

ここで賛否が割れる

事実だけ見ると、JAL側の理屈は筋が通ってる。でもこれ、実際に困る人が出てくる話でもある。

「厳しすぎる」と感じる側の言い分 うちの子は健康な雑種で、短頭種の要素なんてどう見てもない、と言いたくなる飼い主は当然いると思う。保護犬は雑種の割合がかなり高いから、保護犬を迎えた家庭にとっては、引っ越しや帰省のたびに「うちの子だけ飛行機に乗れない」という話になる。「見た目で判断できないから一律禁止」は、裏を返せば「証明する方法が用意されていない」ということでもある。獣医の診断書とか、個別に確認する余地はなかったのか、という疑問は出てきそうな話だと思う。

「仕方ない」と感じる側の言い分 外見で血統を確定させる方法が実際にない以上、線引きを個別対応にすると見落としのリスクが残る。航空会社にとって、貨物室で犬が命を落とすような事故は絶対に避けたい話で、事故が起きてからでは遅い。短頭種でなくても「疑わしきは運ばない」という安全側に倒した判断自体は、責められるようなことじゃないと思う。

正直、どっちの言い分もわかる。「うちの子は大丈夫」と思う気持ちも、「でも証明できないなら仕方ない」という航空会社側の立場も、両方筋が通ってる。これは片方が悪者になる話じゃなくて、安全とコストと個別対応の手間、そのバランスをどこで取るかっていう話なんだと思う。

うちは正直、この規制の対象外だけど

ベルはアメリカンドーベルマンの純血種。鼻も長いし、短頭種の要素はゼロ。今回の規制で困ることはない立場ではある。

その上で言うと、もし俺が雑種の子を飼ってて、この発表を見たら、たぶん素直には納得できないと思う。うちの子を見て「この子のどこに短頭種の血が入ってるって言うんだ」と言いたくなる気持ちは、想像できるから。

ただ同時に、貨物室で犬が命を落とす事故は、実際に起きてきた話でもある。安全のための線引きが、個別の事情を全部拾いきれないのは、ルールというものの宿命でもある気がする。

そもそも、犬をどこにでも連れて行くのが正解なのか

ここからは完全に俺の意見。今回の件を調べてて、ふと思ったのは「そもそも旅行や帰省のたびに犬を連れ回すのって、犬にとって本当にいいことなのか」ってことだった。

ドイツの研究チームが、同じビーグル犬を1週間おきに3回、車で短距離輸送して調べた実験がある。結果、輸送のたびに唾液中のコルチゾール(ストレスホルモン)が平常時の約8倍まで跳ね上がった。しかも3回目になっても反応は全く弱まらなかったらしい。犬は移動そのものに「慣れる」わけじゃない、ということみたいだ。舌をペロペロ舐める、あくびが増えるといった行動も見られていて、研究チームは車酔いに近い状態を疑っている。(出典: Herbel et al., 2020, Animals誌 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7696770/ )

飛行機での移動は、貨物室に預けるにせよ機内に持ち込むにせよ、車よりもさらに慣れない音・気圧・振動が加わる話だから、犬にかかる負担は車移動よりまだ大きいはずだと思う。

じゃあペットホテルに預ければ安心なのかというと、そこも実は単純じゃない。イギリスの大学の研究では、ケンネル(預かり施設)でもコルチゾール値は自宅より高く出ていた。ただし研究チームは「これは必ずしも苦痛のサインとは限らない、興奮している時もコルチゾールは上がるから」と補足していて、犬によっては新しい場所を楽しんでいるだけの可能性もある、という話だった。(出典: University of Birmingham, 2014 https://www.birmingham.ac.uk/news-archive/2014/some-dogs-find-kennels-exciting-not-stressful ) つまりペットホテルが常に無条件でストレスフリー、とは言い切れない。

ここから先は俺の判断になるけど、移動そのものにははっきりしたストレス反応が出て、しかも慣れない。一方でペットホテル側は「その子と場所次第」で、慣れた場所なら興奮止まりで済むこともある。だったら、よほど分離不安が強いとか、留守番の躾がまだ入ってない子でもない限り、無理に連れて回すより、慣れたペットホテルに預けた方が犬にとって負担が少ないケースの方が多いんじゃないかと思ってる。

「一緒に連れて行くのが愛情表現」っていう発想は分かるけど、それが本当に犬のためになってるのか、一回冷静に考え直してもいい気がする。

まとめ

事実だけ言えば、JALは2026年9月1日から、雑種犬を年間通して原則断る。理由は「外見だけでは血統を保証できないから」。この判断自体は、安全を優先した結果としては理解できる。それで実際に困る飼い主がいるのも事実で、特に保護犬を迎えた家庭には影響が大きい話だと思う。

ただ、今回調べてて一番強く思ったのは、規制の是非より手前の話だった。犬を飛行機や車であちこち連れて行くこと自体、犬にとって当たり前に良いことだとは限らない。分離不安もなく、留守番の躾も入っているなら、無理に連れ回さずに慣れたペットホテルに預ける、という選択肢をもっと当たり前にしてもいいんじゃないかと思う。


ベルの日常は kyokench.com、動画はYouTubeチャンネル「狂犬の正体」でも発信してるので、良ければのぞいてみてほしい。

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